歯ぎしり

歯ぎしり

歯ぎしりや食いしばりは、習慣化すると様々な悪影響を及ぼすことがあります。その影響は口の周囲だけではなく、肩が凝ったり、頭痛がしたりする場合もあります。
また、歯ぎしりによって詰め物が欠けたり、すり減ったりすることもあり、更に強い力が加わると、歯が割れてしまうこともあります。健康な歯であっても、歯ぎしりによって歯が揺れたりすることもあり、歯を失う原因になることも多いです。しかも、歯ぎしりは自覚していないケースが多いため注意が必要です。
歯ぎしりや食いしばりなどを総称して「ブラキシズム」と言い、「ブラキシズム」には3つのタイプがあります。

グラインディング(歯ぎしり)

一般的な「歯ぎしり」がこれに当たります。「グラインディング」とは、上下の歯を強く噛んだ状態で横に滑らせて、歯をこすり合わせる行為で、最も歯にダメージを与える歯ぎしりです。歯が大きく削れ、擦り減ってしまい、歯が平らになってしまいます。また、ギリギリと音がするのが特徴です。

クレンチング(食いしばり)

「クレンチング」は、食いしばりや噛みしめとも言われています。上下の歯を強い力でぐっと噛みしめる行為で、音はしません。大きなストレスがある時や、力仕事をする時に、歯を強く食いしばってしまいます。常時ぐっと強い力で噛みしめてしまうと、歯や歯茎、顎などに大きな負担がかかってしまいます。

タッピング

「タッピング」は、上下の歯を小刻みにぶつけて、カチカチカチとリズミカルに音を出して噛み合わせる行為です。「グラインディング」や「クレンチング」のように、強い力は加わりませんが、歯や顎には悪影響を及ぼします。

原因

ストレス

歯ぎしりの主な原因はストレスです。肩こりなどと同様に、ストレスによる筋の緊張によって、口の周りの噛む筋肉が張り、凝りが生じ、歯ぎしりが起きてしまいます。

歯並び

年齢が若いうちは骨や筋肉が柔らかいため、歯並びが悪くても大きな影響はありませんが、年齢を重ねるとともに筋肉や関節の柔らかさが失われてくるため、歯並びの悪さを補うことができず、歯ぎしりが起きることがあります。

噛み合わせ

顎の成長、詰め物や被せ物などの歯科治療、歯周病による歯の動揺、老化、歯のすり減りなどによって、微妙に変化する噛み合わせに対応するため、歯ぎしりをすることもあります。

日中の噛みしめ癖など

日中、無意識に噛みしめている癖が、夜、睡眠時に出ることもあります。食いしばりや上下の歯を当てる癖がある人は、日中のその行為を筋肉が記憶していて、寝ている間も出てしまうことがあります。

治療

マウスピース

「ナイトガード」という歯ぎしり用マウスピースは、寝ている間の歯ぎしりによる歯へのダメージを減らすために使われます。

噛み合わせを治す

噛み合わせが悪いことが歯ぎしりの原因となっている場合、正しい噛み合わせにすることで歯ぎしりを改善できることがあります。歯並びが大きく乱れている場合は、矯正治療が有効となることもあります。

ボトックス

過度に緊張した筋肉に無毒化したボツリヌス菌を注射して、筋肉の動きを弱めて過緊張を取ります。これは顔のシワを取るために美容外科などで使われているものを、歯ぎしりの筋肉に応用したもので、6~10ヶ月ほどもつと言われています。また、発達しすぎた咬筋が小さくなって、顎のえらが目立たなくなり、小顔にする効果もあります。

口の周りの筋肉をマッサージ

緊張している筋肉の凝りをほぐして、口の周りの筋肉をリラックスさせると、歯ぎしりが緩和されやすくなります。咀嚼の際に使用する咬筋などを、自分の手でマッサージしてみましょう。筋肉の張りを取ることによって小顔にもなります。