歯が欠けた

歯が欠けた

なにか硬いものを食べたときに、歯が欠けてしまった経験がある方もいらっしゃるかと思います。しかしながら、何も問題のない健全な歯が、食べ物で欠けることはあまりありません。歯が欠けるには、欠ける理由があるのです。

応急処置

歯が欠けたときには、

  • 「欠けた部分には触らない」
  • 「適切な保存を心がける」
  • 「すぐに歯科医院へ行く」

の3つを心がけましょう。

また、外傷により脱臼したときも、応急処置が可能な場合があります。完全に歯が抜けてしまっても、慌てずに以下と同様の保存方法を行った後に歯科医院へ行きましょう。歯を残せる可能性が高くなります。

「欠けた部分には触らない」

欠けた部分はどうしても気になると思いますが、菌が入り込んだり、状態が悪化することを防ぐため、指や舌で触らないように気をつけましょう。

「適切な保存を心がける」

大切な組織が無くなってしまう危険があるため、水道水で綺麗に洗うのは厳禁です。すみやかに「牛乳」「歯の保存液」「生理食塩水」のいずれかに入れて、歯科医院へ行きましょう。欠けてしまった歯でも接着できる場合があります。

「すぐに歯科医院へ行く」

歯が欠けたことでしみる症状が出た場合は、応急処置を行った後、早急に歯科医院で治療をしなければいけません。歯が欠けた状態を放置してしまうと、様々なお口のトラブルに繋がってしまいますので、自己判断は禁物です。

原因

虫歯

虫歯が進行すると、まず歯の外側の固いエナメル質を点状に溶かし、次に歯の内部の象牙質を溶かしていきます。エナメル質と象牙質では、象牙質の方が柔らかいため、虫歯が象牙質に達すると、進行速度が速くなります。そのため、歯の外側のエナメル質は残っているものの、中の象牙質は溶けて大きく空洞となり、気付かないうちに歯が脆くなり、食べ物を噛んだだけでも欠けてしまうことがあります。

歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしり・食いしばりによって歯にかかる荷重は、体重の2~3倍もの力になることもあるため、その力により歯が欠けてしまうことがあります。特に神経取った歯の場合、歯が脆くなっているので、破折のリスクは高くなっています。

TCH(歯列接触癖)

TCH(歯列接触癖)では、上下の歯が軽く当たるくらいの弱い力であっても、長時間当たっていると、その力が歯にとって負担となり、歯が欠けたり、破折したり、しみたりすることがあります。TCHを止める最も効果的な方法は、「唇を閉じて歯を離す事を意識すること」です。ただし睡眠時のコントロールはできませんので、睡眠時には、夜間につけるマウスピース型の装置であるナイトガードを使用して歯を守ることも大切です。

噛み合わせ

歯並びが悪く(不正咬合)、上下の歯の噛み合わせがずれている場合は、一部の歯だけに過剰な力が加わっている可能性があります。一部の歯だけに力が集中しているとダメージが蓄積していき、その状態が長期的に続くと、やがてヒビが入って歯が欠けてしまうことがあります。

外傷

事故、転倒、ぶつけたなど、外からの強い衝撃を受けることで、歯が欠けたり、ぐらぐらするようになったり、割れたり、欠けたりすることがあります。このような場合は、口腔内も傷付いている可能性が高いので、速やかに、歯科も受診しましょう。

酸蝕歯

酸によって溶かされた歯のことを酸蝕歯(さんしょくし)といいます。スポーツドリンク、お酢、ワイン、柑橘系の食べ物などをよく摂取していると、口腔内が酸性に傾き、エナメル質が溶かされて、歯が脆く欠けやすくなってしまいます。

治療

欠けた部分が小さい場合

欠けた部分が小さい場合には、レジン充填を行います。これは欠けた部分に、プラスチックの樹脂を入れて光で固める治療法(コンポジットレジン)で、保険治療となります。セラミックや金属と比較すると強度は劣りますが、欠けた部分だけ詰めて修復するので、余計に歯を削る必要がありません。また、仕上がりにこだわる場合には自由診療(ダイレクトボンディング)も選択肢となります。

欠けた部分が中くらいの場合

欠けた部分が中程度の場合には、保険診療であれば、金属のフレームの上にプラスチックを盛る被せ物治療(補綴治療)となります。自由診療であれば、オールセラミック冠が一般的です。自由診療は保険診療に比べると治療費用が高くはなりますが、安全性と審美性は非常に高くなります。周りの人から見ても作り物だとほぼわかりませんので、審美治療として銀歯から高品位セラミックに付け替える人も多いです。

欠けた部分が大きい場合

欠けた部分が大きい場合で、神経が生きている場合は、全体を覆う被せ物をします。歯が欠けたり、穴が空いたことによって、神経が露出していたり、損傷している場合は、神経を取って歯の根の治療(根管治療)を行います。土台を入れ、強度を出すために全体に被せ物をします。

大きく破折した場合

できるだけ保存治療を目指しつつも、歯根膜や骨縁下組織まで損傷が広がっている場合は、抜歯も検討します。抜歯した後はそのまま放置しておくと、噛み合わせが悪くなるため、噛み合わせを安定させ、歯を長持ちさせる為に、入れ歯やインプラントで歯を補う治療が必要となります。また、両隣に歯がある場合は、ブリッジという被せ物の治療をすることもできます。

脱臼した場合

歯を「牛乳」「歯の保存液」「生理食塩水」などにつけて、早急にかかりつけの歯科医院に来院してください。状態が良く、脱臼した歯と隣の健全な歯を再殖が早ければ、歯を残せる可能性が高くなります。