歯茎の黒ずみ

歯茎の黒ずみ

歯茎の黒ずみが気になったことはありませんか?本来ならピンク色の歯茎が、加齢や喫煙、強い歯磨きの圧などが原因で、メラニン色素が沈着し、黒ずんでしまいます。そのまま放っておいても、歯茎がピンク色に戻ることはありません。

喫煙

原因

喫煙者の方は、タバコによるメラニン沈着が原因で、歯茎が黒ずんでいる可能性があります。タバコにはニコチンやタールなどが含まれており、それらから歯茎を守るために「メラニン色素」が作られます。この「メラニン色素」が沈着することで、歯茎が黒く変色するのです。これは紫外線などから日焼けを防ぐため、皮膚の表面にメラニン色素が作られるのと同じ原理です。また、タバコのヤニが付着することで、歯が茶色く変色してしまいます。ヤニのついた歯にはプラーク(歯垢)や歯石が付着しやすくなるため、口腔内環境にも悪影響を及ぼしやすくなります。

治療

タバコのヤニが原因で歯茎が黒くなっている場合は、専用の薬液を歯茎に塗布すること(ケミカルピーリング)で黒ずみを除去することができます。塗布後しばらくすると歯茎が薬液に反応して、一時的に口内炎のように白く浮かび上がります。数日後に、歯肉が自然にはがれ始めることで、ピンク色の歯茎が出てきます。治療前には表面麻酔(塗り薬)を使用するため、治療中の痛みはほとんどありません。治療は数分で終わるので、気軽に受けることが可能です。

メタルタトゥー

原因

タバコを吸わないのに歯茎が黒ずんでいる方は、過去の歯科治療が影響している場合があります。詰め物・被せ物や、被せ物の土台などに金属の素材が使われていると、経年によって金属が錆びて溶け出し、歯茎に沈着して変色することがあります。これを「メタルタトゥー」と言います。保険適用のむし歯治療の場合は、金属を使うケースが多く、メタルタトゥーによって歯茎が黒くなる原因になります。

治療

メタルタトゥーが原因で歯茎が黒くなっている場合は、レーザー治療によって除去することができます。レーザーが黒色に反応する性質を活かし、歯茎のメタルタトゥーの部分のみを除去する仕組みです。治療後しばらくすると、元のピンク色の歯茎に戻ります。治療前には注射で浸潤麻酔をおこなうため、治療中に痛みを感じることはほとんどありません。また、黒ずみの再発を防止するためには、メタルタトゥーの原因となっている金属の補綴物を、金属ではない補綴物に取り換えることをおすすめします。

重度の歯周病

原因

歯茎が黒くなる原因として、もっとも深刻な症状が歯周病です。歯周病が重症化すると、歯茎から出血するだけではなく、膿が出るようになります。この「排膿(はいのう)」と呼ばれる症状が原因となり、歯茎が黒ずんで見えることがあります。歯周病は、歯磨きで落としきれなかったプラーク(歯垢)の内部で細菌が繁殖して、歯茎に炎症を起こし、歯の骨を溶かしていく恐ろしい病気です。歯を支える「歯槽骨」と、その間にある「歯根膜」が破壊され、徐々に歯がぐらついていき、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。

治療

歯周病による排膿が原因で歯茎が黒ずんでいる場合は、歯周病治療をして歯周病を改善することが先決です。
毎日のブラッシングと歯科医院での治療によって、口腔内に溜まったプラーク(歯垢)や歯石を徹底的に取り除きます。プラーク(歯垢)や歯石を除去して、口腔内の細菌を減らすことができれば、歯周病は治ります。そして歯周病が治れば、歯茎は再び健康的なピンク色に戻ります。